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# 放課後秘密倶楽部.1





 7時20分。最寄駅3番線、電車到着のアナウンスが鳴り響く。
 到着した電車からは雪崩のようにサラリーマンが降りてきた。入口付近でスマートフォンを弄りながら待機する学生、亘理(わたり)夏樹(なつき)は、人が捌けたのを確認して素早く乗車する。残念ながら席はどこも空いていない。仕方なく端の手すりに掴まった。
今日は珍しく早起きをした。『早起きは三文の得』などと母親から言われ、半ば無理矢理外に放り出される。仕方なくいつもより早い時間の電車に乗る事にした。

(三文なんて、今の価値で百円くらいしかないのにな)

あと30分寝てる方がマシだ……などと考えて、夏樹は大きな欠伸をした。
櫻ヶ先学園に通う夏樹は片道40分かけて登校する。いつもならもう一本遅い電車に乗っているところだが、目が覚めてしまった上に家から放り出されたのだから仕方ない。夏樹の三文はどれほどの価値があるのか?
しかし、すぐにその得は現れる事となる。
電車内のスペースが埋まってきた。寿司詰めとまではいかないが、隣人と密着するくらいには混んできている。ホームに電車発車合図のベルが鳴り響く。扉が閉まるギリギリで見知った顔が飛び込んできた。
階段を駆け上がってきたのか、頬はうっすら上気している。
御子柴(みこしば)姫(ひめ)香(か)。櫻ヶ先学園3年。夏樹の一つ先輩だ。容姿端麗でミステリアス。長く艶やかな黒髪はまるで昔話の姫君の如くだ。

(御子柴先輩だ……!同じ駅だったんだ……やっぱ綺麗な人だな~)

夏樹は姫香に見惚れていた。よほど見つめていたのか姫香と目が合う。

(ヤバ……見つめすぎた)

思わず硬直したが、姫香はにっこりとほほ笑んで、鞄から本を取り出し読書を始める。同じ学園の制服だが、ネクタイの色は学年で分かれている。同じ学園の後輩と視認され微笑みかけてくれたのだろうか?
電車はゆっくりと走り出した。徐々にスピードを上げガタンゴトンと言う揺れを感じながら、景色が流れ去っていくのを見つめる。
相変わらず隣人が密着している。どうせなら姫香と密着したかったと思いつつ、視線とやった。変わらず読書をしている横顔が見える。

(何の本を読んでいるんだろう?きっと俺が読んだら眠くなるくらい難しい本を読んでいるんだよな)

そこでふと、姫香の様子がおかしい事に気付く。平静を装ってるようなそんな言葉が合う。小刻みに揺れて唇を噛みしめている。どこか具合でも悪いのだろうか?そう思った時、やけに姫香に近いサラリーマンが居た。夏樹は一瞬で理解する。

(痴漢だ……!)

姫香の下半身に目をやると太ももをまさぐる太い指が見えた。その指が太ももを滑る度に姫香は身体を震わせ苦悶の表情を浮かべる。痴漢行為に気が付いているのは自分だけだ。つまり、助けられるのも自分しかいない。
夏樹は無理矢理人の間を通り、姫香に痴漢行為をしているサラリーマンの腕をつかんで叫んだ

「触るのをやめろ!嫌がっているだろ!」

「な……ッ、なんなんだお前は⁈」

サラリーマンの男性は声が上擦る。その声に車内がざわついた。

「この人痴漢です!この女の子の脚を触ってました!」

そう言うと周りにいた大人たちがサラリーマンを取り押さえた。
電車は間もなく次の駅に到着する。
電車はホームに入り、痴漢の男は外に引きずり出された。駅員が数名駆け寄ってくる。そのまま駅員室へ連れて行かれた。

「あの、有難う」

姫香がお礼を言って頭を下げた。

「え、あ、当然の事をしたまでです!」

学園一美人と言われた姫香が自分に頭を下げてくる。あたふたしている夏樹に姫香はクスリと笑った。

「えっと、名前はなんて言うの?」

「あ、夏樹……亘理夏樹です」

「私は御子柴姫香。そのネクタイの色……一つ学年が下なのね。なら夏樹くんと呼ぶわ。本当にありがとう」

姫香はにっこり笑う。夏樹は名前を憶えてもらえた事に完全に舞い上がっていた。

「あの、御子柴先輩は……その、よく痴漢に会うんですか?」

気まずい質問だっただろうか?姫香は一瞬俯いた。

「あ!すいません……変な質問して……」

「ううん、いいの。こういう事しょっちゅうなのよ。満員電車で身動き取れない時はいつも……」

姫香は一人で辛い思いをしているんだ。こんな事誰にも相談できないだろう。これも何かの縁だと思い、

「あの、御子柴先輩!明日から一緒に学校行きませんか?俺が一緒に行けば、先輩の事守ってあげられるので!」

と口走っていた。どこか告白みたいだなと思いつつ姫香の返答を待つ。心臓の高鳴りは最高潮だ

「……じゃあ、お願いしちゃおうかな?」

返事は了承の意だった。
早起きは三文の得。三文どころの話ではない。ジャックポット級の得だ。
不謹慎だが、痴漢をしたサラリーマンにもほんの少し感謝した。この一件が無かったら一生話す機会など無かったのだろうから。




※     ※      ※
 
二人はほどなく学園の敷地内に到着する。夢のような登校時間だった。玄関に入って姫香に別れを告げようとしたら
 
「あ、ねぇ待って夏樹君」

「はい、なんですか?」
 
「今日の放課後なんだけど、暇?」

これはまさか……デートの誘いではないだろうか⁈と期待に胸躍らせていると、その先の言葉は全く予想外の言葉だった

「はい。特に用事はないです」

「そう、じゃあ……ここに来てくれる?」

と紙切れを手渡される

「必ず、一人で来てね……」

そう念を押すと姫香は足早に立ち去った。残された夏樹は貰った紙切れを開く。中には

【放課後(ほうかご)秘密(ひみつ)倶楽部(くらぶ)】……活動場所   化学準備室

とだけ書かれていた。
 
「なんだこれ……?放課後…秘密倶楽部?なんかの部活か?」

この学園は色々きな臭げな部活が揃っている。オカルト研究部や少林寺拳法部、伝統芸能部なんて部も存在している。

「まぁいいか。御子柴先輩の誘いだし、それに……万が一って事もあるからな」

鼻の下を伸ばしてニヤニヤする。楽天家とはよく言われたものだ。物事の警戒心がもともと薄い性格をしていて周りからはよく心配される。そんな期待に満ちた中、あっという間に放課後がやってきた。

「えっと、化学準備室ってどこだっけ?」

そもそもうちの学校にそんな場所あっただろうか?化学室の前までやってきたがそんな教室見当たらない。とりあえず化学室の中に入ってみることにした。
教室の扉を開けると、目に飛び込んでくるのは実験用のテーブルに、薬品棚。やはりそこは無人の教室だった。

「来てくれたのね」
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羽生ゼノン

Author:羽生ゼノン
官能小説書いています。人妻、寝取られ、ハーレム、おねショタ、ファンタジー等執筆していきます。18歳未満閲覧禁止。
全物語はフィクションであり、実在の人物、団体名とは一切関係ありません。
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